Xiaomiが展開するワイヤレスイヤホン「OpenWear Stereo」は、耳を塞がないオープンイヤー型でありながら、音質や快適性にも妥協のない設計が特徴です。本記事では、実際の使用感をもとに、ペアリングのしやすさや装着感、バッテリー性能からノイズキャンセリングの効き具合まで、細かくレビューしていきます。オープンイヤー型の購入を検討している方や、Xiaomi製イヤホンの使い勝手を知りたい方にとって、参考になる内容をお届けします。

- 製品のスペックと主な特徴
- 音質の傾向や低音のクオリティ
- 操作方法やアプリとの連携内容
- 音漏れや通話時の注意点
Xiaomi OpenWear Stereoのレビューと基本情報

- 製品スペックと主な特徴
- 音質の傾向と低音の評価
- ノイズキャンセリング機能の実力
- 操作方法とアプリ連携について
- 防水性能や運動時の使用感
製品スペックと主な特徴
Xiaomi OpenWear Stereoは、装着感と音質のバランスを重視したオープンイヤー型のワイヤレスイヤホンです。耳を塞がずに使える設計でありながら、機能面や音質面でも十分な性能を持っています。
まず注目すべきは、本体のドライバー構成です。楕円形の17×12mmドライバーと10mmの音漏れ低減ドライバーを搭載しており、広い音域の再現と通話時のプライバシー配慮の両立を目指しています。これにより、開放的なデザインでも低音の強調や通話時の音漏れ抑制が可能となっています。
また、Bluetooth 5.3に対応しており、安定した接続性と省電力性能を備えています。コーデックはSBC、AAC、さらにLHDCまで対応しており、96kHzまでのハイレゾ音源にも対応可能です。Hi-Res Wirelessの認証も取得している点から、スペック的には上位機種に迫る内容といえるでしょう。
防水性能もIP54と日常利用には十分なレベルで、汗や軽い雨にも耐えられる仕様です。さらに、最大7.5時間の単体再生と38.5時間のケース併用再生が可能で、長時間の外出でも安心して使用できます。
そのほか、タッチ操作による音楽コントロールやGoogle Fast Pair対応、専用アプリでの操作カスタマイズ機能も備えています。ただし、マルチポイント接続は初期設定では無効化されており、アプリから手動で有効にする必要があります。
このように、Xiaomi OpenWear Stereoはオープンイヤー型としての使いやすさに加えて、実用的なスペックと先進的な機能を備えたバランスの良い製品です。
音質の傾向と低音の評価
Xiaomi OpenWear Stereoの音質は、開放型イヤホンとしては非常に完成度の高いチューニングがなされています。特に低音域の質感が良く、オープンイヤー型にありがちな「薄い音」ではなく、しっかりとした量感と滑らかな鳴り方が印象的です。
音の傾向としては全体的にウォームなトーンで、耳当たりの良い音作りがされています。中音域はやや控えめで、ボーカルが少し引いた位置に感じられることがあります。ただ、アプリのイコライザーで「高音強調」モードを選べば、中音域が前に出て高域の透明感も増し、ボーカルの存在感を補うことができます。
低音に関しては、楕円形ドライバーと低周波数拡張アルゴリズムの効果が現れており、ベースラインやバスドラムが自然に響きます。カナル型に比べると若干控えめですが、オープンイヤー型としては十分に豊かで、質の高い低音といえます。アタック感よりも余韻や滑らかさを重視した味付けになっている点が特徴的です。
一方で、高音域は解像度はあるものの、音の伸びは控えめで、天井がやや低い印象を受けます。刺激的なシャリつきは少なく、長時間のリスニングでも耳疲れしにくい音質です。
このように、Xiaomi OpenWear Stereoはオープンイヤー型の弱点をうまくカバーしつつ、低音を中心に自然なバランスでチューニングされたイヤホンです。通勤や在宅ワーク、軽い運動時など、日常使いで満足度の高い音質が得られるでしょう。
ノイズキャンセリング機能の実力
Xiaomi OpenWear Stereoには、ベータ版ながらノイズキャンセリング機能が搭載されています。ただし、カナル型のような強力な遮音性能は期待できません。
この機能は専用アプリから有効化する必要があり、初期状態ではオフになっています。オンにすると周囲の環境音に応じて自動で強度が変化するアダプティブ制御が働きます。特にエアコンの稼働音やPCのファンなど、小さな低周波ノイズの軽減には効果が見られました。
一方で、人の話し声や屋外の騒音といった中高域の音にはあまり反応せず、効果は限定的です。また、左右のイヤホンでノイズキャンセルの強度がばらつく場面があり、それが耳への圧として違和感につながることもあります。静かな環境でも圧が変動するため、耳が敏感な方には不快に感じられる可能性もあります。
ベータ機能という位置づけから考えても、日常の雑音を軽減する「補助的な機能」として捉えるのが現実的です。静かな作業環境で集中したいときには有効ですが、騒がしい外出先での使用にはあまり向いていません。
操作方法とアプリ連携について
Xiaomi OpenWear Stereoはタッチセンサー式の操作に対応しており、直感的な操作が可能です。タッチ操作はL・Rそれぞれのイヤホンに割り当てられ、アプリを使ってカスタマイズすることができます。
初期設定では、2回タップで再生/停止、3回タップで曲送りや曲戻しなどが割り当てられており、1回タップは誤操作防止のため無効化されています。また、長押し操作には音声アシスタントやノイズキャンセリングの切り替えが設定可能です。
専用アプリ「Xiaomi Earbuds」を使えば、タッチ操作の割り当て変更やイコライザーの切り替えができるほか、ファームウェアアップデートやマルチポイント接続の設定も行えます。なお、マルチポイント機能はデフォルトでオフになっており、利用するには手動でONにする必要があります。
このアプリのインターフェースは比較的シンプルですが、必要な機能は一通りそろっています。ただし、ファームウェア更新にはXiaomiアカウントへのログインが必要となる点はやや煩雑です。手軽にアップデートしたいユーザーにとっては、やや使いにくいと感じるかもしれません。
総じて、操作性とアプリ連携の使い勝手は良好です。個々の使用スタイルに合わせた設定ができるため、日常的に快適に使うためのサポート体制は十分に整っています。
防水性能や運動時の使用感
Xiaomi OpenWear StereoはIP54の防塵・防水性能を備えており、軽い雨や汗などには十分に対応できる仕様です。これにより、通勤中や軽い運動中にも安心して使える設計となっています。
IP54とは、粉塵の侵入を完全には防げないものの、内部に有害な量の粉塵が入りにくく、またあらゆる方向からの水しぶきにも耐えられる保護等級を意味します。したがって、日常的な汗や小雨であれば故障の心配はほとんどありません。
装着感においても、柔らかいシリコン素材が耳にしっかりとフィットし、長時間つけていても不快感が出にくいのが特徴です。実際、ジョギングやウォーキング程度の運動であれば、ズレたり落ちたりする心配はほとんどありません。形状記憶合金を使用したイヤーフック部分が適度にしなることで、動きに追従しやすい構造となっています。
ただし、公式には「激しい運動中の使用は推奨されない」と明記されています。これは、長期間の使用や摩耗によって防水性能が低下する可能性があるためです。また、汗の成分がイヤホン内部に侵入することで、経年劣化を早めるリスクもあります。
このように、Xiaomi OpenWear Stereoは日常的な防水性能を備えており、運動時の使用にも一定の対応が可能です。ただし、長く使うためには、ハードなスポーツ環境では避けるほうが無難といえます。使い終わったあとは軽く拭き取ってからケースに戻すなど、ひと手間かけることで寿命を延ばすことにもつながります。
Xiaomi OpenWear Stereoのレビューと使用感まとめ

- ペアリングと接続の安定性
- バッテリー持続時間と充電性能
- 装着感とフィット性の評価
- 通話品質とマイク性能の検証
- 音漏れの程度と注意点
ペアリングと接続の安定性
Xiaomi OpenWear StereoはBluetooth 5.3に対応しており、接続の安定性に優れています。初回のペアリングもスムーズで、Google Fast Pairをサポートしているため、Android端末であればフタを開けるだけで自動的に接続が提案されます。
このイヤホンの通信範囲は約10メートルとされており、障害物のない環境では音途切れが起きにくく、動画や音楽の再生中でも安定した通信が保たれます。室内でスマートフォンを机に置いたまま移動しても、接続が途切れることはほとんどありません。
一方で、マルチポイント接続(複数端末の同時接続)を利用するには、専用アプリから機能を有効にする必要があります。また、端末を切り替える際には前の端末で再生が自動停止しないため、手動で操作する必要がある点は少し煩雑です。
全体としては、ペアリングの簡単さと通信の安定性は高く評価できる内容です。特に通勤や在宅勤務など、頻繁に接続・切断を行う状況でもストレスなく使える仕様になっています。
バッテリー持続時間と充電性能
Xiaomi OpenWear Stereoのバッテリー性能は、日常使いに十分な仕様です。イヤホン単体で最大7.5時間、充電ケースを併用すれば最大38.5時間の再生が可能とされています。このため、頻繁に充電する手間が省け、外出先や長時間の作業中でも安心して使えます。
急速充電にも対応しており、わずか10分の充電で約1.5時間の再生が可能です。例えば、出かける直前にバッテリーが切れていても、短時間の充電である程度使用できるのは大きな利点です。
一方、充電はUSB Type-Cポート経由で行いますが、ワイヤレス充電には対応していません。また、バッテリー残量の確認や充電状態の詳細はアプリを通じて行う形になるため、アプリ未使用時にはやや分かりづらいと感じるかもしれません。
このように、バッテリー性能に関しては全体的に実用性が高く、日常的な使用シーンをしっかりカバーしています。こまめな充電が面倒な方や、外出先で長時間使用する予定がある方にも向いている仕様といえるでしょう。
装着感とフィット性の評価
Xiaomi OpenWear Stereoは、耳に負担をかけにくい設計が特徴のオープンイヤー型イヤホンです。耳の中に入れるカナル型とは異なり、耳の周囲に引っ掛けて使用するスタイルで、長時間装着しても蒸れにくく快適です。
イヤーフック部分には柔軟性のあるニッケルチタン形状記憶合金が使われており、耳の形状に合わせて自然にフィットします。また、耳に接する部分には柔らかいシリコン素材が採用されているため、長時間使用しても圧迫感が少なく、耳が痛くなりにくい構造です。
一方で、装着感には個人差が出やすく、頭のサイズや耳の形によっては若干のズレを感じる人もいるかもしれません。ただ、走ったり軽く運動をしても大きく動くことは少なく、日常的な使用には十分な安定性があります。
さらに、眼鏡やマスクと干渉しにくい形状なのも魅力のひとつです。特にデスクワークやリモート会議などで長時間使用する場合でも、煩わしさが少ない設計となっています。
このように、Xiaomi OpenWear Stereoはオープンイヤー型の利点を最大限に活かした快適な装着感が魅力で、日常のあらゆるシーンで無理なく使えるイヤホンといえます。
通話品質とマイク性能の検証
Xiaomi OpenWear Stereoは、通話機能にも配慮された設計が施されています。デュアルマイク構成に加え、AIノイズリダクション技術が組み合わさっており、声を明瞭に届けることが可能です。
実際の通話では、環境音の多い場所でも話者の声をしっかりと拾い、相手にクリアに伝えることができます。屋内での通話やオンライン会議では、声がこもることも少なく、相手からも聞き取りやすいという評価を得やすい仕様です。
ただし、風切り音には弱い傾向があります。例えば屋外で強風が吹いている場合には、風の音がマイクに入ってしまい、音声が乱れることがあります。この点はオープンイヤー型の構造上やむを得ない部分ですが、屋内や静かな場所での使用に限定すれば大きな問題はないでしょう。
また、通話時の音漏れを抑えるために10mmの音漏れ低減ドライバーが搭載されており、相手の声が周囲に聞こえにくくなるよう工夫されています。これにより、プライバシーを重視したい場面でも安心して通話が可能です。
このように、Xiaomi OpenWear Stereoは静かな環境での通話に非常に適した設計となっており、日常的な使用からビジネスシーンまで幅広く対応できるイヤホンです。
音漏れの程度と注意点
Xiaomi OpenWear Stereoはオープンイヤー型という構造上、音漏れが避けられないタイプのイヤホンです。耳を塞がないことで開放感のあるリスニングが可能になる一方、外部への音の漏れも発生しやすくなっています。
音量を抑えて使用すれば、比較的静かな場所でも気になりにくいレベルに抑えられます。実際、音量を30%前後に設定している限りでは、周囲の人に音がはっきりと聞こえることは少ないでしょう。ただし、音量が50%以上になると、静かな室内ではシャカシャカとした音が漏れやすくなり、80%〜100%では明らかな音漏れが発生します。
通勤電車のように人との距離が近く、周囲も静かな環境では、再生音量を控えめに設定することが必要です。公共の場での使用では、20~40%程度を目安にすると安心です。周囲が騒がしければある程度の音量でも気になりにくいですが、その場合でも音漏れに気を配る意識は重要です。
また、音漏れを完全に防ぐことは構造的に難しいため、会議中や図書館のような静寂が求められる場では使用を控える方が良いかもしれません。
このように、Xiaomi OpenWear Stereoは快適な装着感と開放感のある音質が魅力ですが、使用する環境によっては音漏れへの配慮が必要になります。使用前にボリュームの調整をしておくことが、快適なリスニングと周囲へのマナーの両立につながります。
Xiaomi OpenWear Stereoのレビューと総まとめ
- 耳を塞がない設計で快適な装着感を実現
- 楕円形ドライバーによる広がりのある音質
- ウォームな音傾向で自然な低音を再現
- ベータ版ノイズキャンセリングは軽度の雑音に有効
- タッチ操作はカスタマイズ可能で直感的
- アプリ経由でマルチポイントやEQ設定が可能
- IP54の防水性能で日常の汗や雨に対応
- Bluetooth 5.3で接続は安定しペアリングも簡単
- ケース併用で最大38.5時間の再生に対応
- 音漏れはやや大きめで静かな場所では注意が必要